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白球にかける情熱

シングル

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こんにちは

管理人のえーやんです

何かに真剣に取り組む事は

素敵な事です

走ったり飛んだり寝転んだり

全力で行う姿はとてもカッコいい

でもそれは全てを出し切るからこそ

上手い下手ではなくどれだけ情熱を注ぐことが

できるかにより決まります

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ティップオフ!!

煌々と光る白色の電球の下に

眼光鋭い1匹の猫がこちらをじっと見ている…

そちらに視線を向けると

全体的には白を基本としているが

鼻筋や前脚、背中と尻尾に

濃淡のある茶色の毛並みが混じっていて

触らずとも鍛えてあるのが

座っていても良く解る姿だ

廊下を駆けに駆け体力は底なしに

天をも掴む勢いで飛び続けしなやかで柔軟な脚

ほふく前進を行い上で徹底的に鍛え上げた腕

鍛錬を重ねた結果と言えるだろう…

目は青く外国の雰囲気を漂わせてはいるが

どこか懐かしさを感じる

少し小さな鼻を健康的に輝かせ

こちらの空気の流れまで聞き逃さないと

言わんばかりに耳をピンと立てている

さぁ…やるわよ!!

クルミである

佇むだけでそこには独特の気配が存在している

流石だ

これまでに様々な伝説を残してきた事は伊達ではない…

幼少期から彼女を見てきたが

多くの才能を秘めていた

特にその才能を見せたのは

「遊び」である

たわいもないただの切れ端

普通ならゴミになるようなモノに価値を見出し

真剣に遊ぶのである

特にお気に入りは「マスク」

そう

近年特に入手困難になるまで

生産が追い付かなくなった

あの「マスク」だ

件の「マスク」を綺麗にたたみこみ丸めて

付属のゴム紐で幾重にも巻き付ければ出来上がる

通称「マスク玉」

このマスク玉が我が家には至るところに

配置されている…

彼女が大好きなモノの1つだからだ

ちなみにマスクは至って普通のモノを使っている

色は白と決まっているようだ…

 

クルミ
クルミ

もちろん

カシャカシャぶんぶんも

大好きよ!!

でも…

そう…

あの魔法の棒「カシャカシャぶんぶん」に匹敵するくらい

「マスク玉」も非常に魔力が高いようだ

かの有名な「カシャカシャブンブン」

 

これもまた素晴らしい…

初球しりもち!!

自然体左構えで相対するクルミ…

まずは様子見で

相手の出方を覗うのか!?

甘い!!

私は例えお猫相手だろうと全力で

対峙することを信念としている…

手は抜かない!!

彼女に向かって右側が完全に隙が出来ている

ならばそこを突かない手はない!!

だが一瞬躊躇した…

誘われているのか!?

だとしたら…

ダメだ!!

深く考え込むと判断が鈍くなる

初球だ!!

誘いと分かっていても!!

相手の隙を狙っていこう…

ボールを指にセットし弾く様に球を飛ばす!!

球は山なりに弧を描書きクルミの頭上を

抜けていった!!

向かって右…

完全に虚を突いた形になったはずだ!!

反応すらできまいと思っていた

だがそこは

歴戦の兵クルミ…

無理な体制ながらも咄嗟に体を捻り

ボールに飛び掛かったのである

しかしやはり届かずに尻もちをつく形で

後ろへ飛んでいくボールを見送った!!

だが完全に倒れることがなかったクルミに驚嘆した

何たるボディーバランスだ…

なんと~!!

初球は私の勝ちだ!!

やはり隙はガンガンついていこう

クルミ
クルミ

まだ始まったばかりよ!?

たかが1球

勝った気にならないで!!

これからよ!!

気の強さは一級品だ

このまま終わるはずがない事はわかっている

ここから気を引き締めていこう

次は低めそれとも…

などと考えを私が巡らしていると

彼女はボールを咥えてこちらへ

初球の事は微塵も気にしていないようだ

堂々たる行進

一瞬カメラからフレームアウトしたかと思えば

直ぐにまたフレームインしたクルミ…

何かが変わっている…

咥えて
あれ!?
何処やったの!?

確かに持っていたボール…

消えている…

何処へ行ったのか…

どうやら置いてきたようだ…

下手に回収してカメラに映る訳にはいかない

クルミ
クルミ

さあ!!

次!!

投げなさい!!

やる気に満ち溢れている

さすがガチ勢

カメラの前で投げろと主張するクルミ

私にまで体当たりをしそうな勢いで

近づいてフレームアウトしたクルミ

私がカメラに映らぬように死角からボールを

回収したことを知ったクルミは

突如フレームイン!!

やる気ね!!

なんだこの表情は…

可愛すぎる

やる気に満ち溢れている

そして彼女はセットポジションについた

2球目を待っている

クルミ
クルミ

さぁ~

ばっちこ~い!!

あやふやな判定!?

セットポジションについたクルミ

今度は正面を向いている

これは…

ちょっと本気みせるわ

どうやら彼女を本気にさせたようだ

隙はどこにもない

望むところだ…

完封してやろうじゃないか

互いに睨みあいが続いた

微妙にフェイント入れつつクルミを揺さぶる

クルミ
クルミ

そんな粗末なフェイント

かからない!!

しかし彼女は動じない

いざ!!

勝負!!

きた!!

少し高めからの打ち下ろすような軌道で

ボールはクルミへと放たれた

彼女はしっかりと見据えている

力の解放を今か今かと待っているように見える

彼女に向かって右側にボールは直線的に飛んでいった

ついにクルミが

動いた!!

だりゃ~!!

抜けた!!

クルミ
クルミ

止めたわ!!

ん!??

これは審議が必要だ

だがそれは読者の皆様に委ねよう

止められていないはずだ…

何故か止めた気でいるクルミ…

意気揚々とボールを拾ってくる

チョロいわね!!

止められていない!!

そう私は断言する

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まだまだ気合は満ち溢れてる!?

やる気十分でボールを持ってくるは良い

素晴らしいことだ!!

だが一言だけ言わせてもらおう!!

 

 

 

 

 

遠い…

もう少し近くに置いてくれ!!

この位置は映ってしまう…

それは避けなければならない…

なかなか拾わないためにイライラしたクルミは

一度体当たりしそうな距離まで近づき

カメラの外に行ってしまった…

追いかけてみよう

ソファの近くで佇んでいたクルミと

再開するのね!?

目が合った…

クルミ
クルミ

投げなさいよ!!

止めるから!!

再開しようか…

ボールはカメラが違う方向を向いている時に回収した

クルミはセットポジションに

飛ぶわよ~!!

この構え…

やはり隙が無い

上か…

それとも向かって右か!?

決めた!!

クルミ
クルミ

ほらほら~

止めちゃうわよ!!

これでどうだ!!

指先から放たれたボールはクルミの

頭上を直線的に飛んで行った!!

これもまた私の勝ちだ!!

クルミ
クルミ

甘いわ!!

力を貯めていたクルミは

その場で大きく伸びた!!

届くのか!?

 

バシッ!!

右フック!!

右フックでボールの軌道を大きく変えられ止められた…

軌道を変えられたボールは山なりに飛んでいった

更にクルミは追いかけていった

そしてぽとりと落ちた…

届かないと思っていたのに

止めたクルミは意気揚々と

次に向けてボールを拾いこちらへと

足取りがすごく軽い

テンションアゲアゲ~

そしてボールを離し

更にカメラに向かって前進

クラッシュ&挑発…

もう終わりなの!?

勝負の世界を心得ている…

心理的に相手を揺さぶり挑発する

クルミ
クルミ

もう諦めたら~!?

それともまだ続けるの~!?

へいへい~

そしてトラッシュトークまで…

ミスを起こさせ自分に有利な状況を作る

何処でそんな技術を磨いたのか

落ち着け…

呑まれるな

このままでは終われない

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空回りしてたのに…

目を瞑り静かに深呼吸をする

大きく吸い込んだ息をゆっくりと掃き出し

目を開けサムライ・クルミを見た

余裕を見せている

彼女は既に準備万端だ

相手してあげるはよ~

待たせたな!!

クルミ
クルミ

何度やっても

同じ結果よ~!!

相手の良いようにはさせないのが鉄則だ

こちらからも揺さぶりをかける

フェイントをうまく使い

相手を崩す

クルミ
クルミ

そんなフェイントには

かからないわよ!!

ボールをセットし相手をじっと見据える

少し高めで山なりのボールを放った!!

クルミは大きく伸びあがりその勢いを後ろへと

弧を描く様に跳ねた!!

ボールを追いかけたが掴むことは出来ずに

反転して着地した

サブロク!?
失敗…

以前見せたサブロク

今回はどうやら成功はしなかったようだ

気なる方はこちらから…

サブロクの失敗に少し苛立つクルミ

2,3度ボールを蹴飛ばしながら悪態をつく

だがそれでもなおボールを拾いこちらへと

向かってくる

投げろ……

彼女もまた負けず嫌いなのだ

真剣な眼差しでこちらを見ている

覇気が溢れだし

早く投げろとプレッシャーをかけてくる

構え方がカッコよすぎる

なんだその瞳の輝きようは…

止める…

覇気は相変わらず激しく

こちらを圧倒してくる…

負けてなるものか…

気合を入れてボールを弾く…

覇気に中てられたのだろうか…

ボールは思わぬところへ…

デットボール!!
えっ!?へたくそなの!?

なんとクルミにヒットしてしまった…

呆気にとられたクルミ

クルミ
クルミ

えっ!?

へたくそすぎるでしょ!?

早く拾って投げて!!

たまにミスすることくらいはあるさ…

気にするな…

すぐさま拾ってセット!!

からの速攻!!

ボールは低めから放ち下から上へと

飛んで行った!!

クルミは気合と共に伸びあがったが…

掴むことはおろか触れる事すらできずに

着地した

とぁ~!!
しゅた!!

完全に空回りだ

気合だけでは取れないのだよ!!

クルミ
クルミ

速攻を使ってくるなんて

やるじゃない…

でも…

それでも彼女は諦めない

ボールを咥えてこちらへ向かってくる

そして離す

持ってくるクルミ
クルミ
クルミ

持って来たわよ!!

一言言わせて貰おう!!

手の届くところにおいてくれ!!

<br>クルミ

クルミ

次が本番よ!!

早くしなさい

聞いてますか!

もっと近くに!!

クルミ
クルミ

次は止めるから!!

ちょっとクルミさん!?

人の話を…

投げろや!!ガタガタ言わずに!!!

おおぅ…

分かったよ…

投げるよ…

気圧された…

なんか…

こう…

モヤモヤするが…

切り替えていこうか

ボールを拾い何度目かの対峙…

構えには相変わらず隙が無い

見てなさい…

ならば…

「アレ」を使ってやろう…

秘技!!

地を這う速球!!

地面すれすれを勢いよく飛んでいくボール!!

バウンドして変化も期待できる

このボールを

止められるわけが!!

おりゃ~
ばしっ!!
チョロいわね~
クルミ
クルミ

チョロいわね…

何が秘技よ

笑わせないで!!

ダサいわ~

な、なんだと…

さっきまで空回っていたのに…

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余裕綽々

会心の猫ブロックを見せたクルミ…

思った通りに動けたのだろう

満足そうに寛ぎ始めた

しかも毛繕いまで始める始末

余裕だ…

手入れも実力を守るためよ!!
クルミ
クルミ

気分がいいわ~

なんたって秘技を止めたからね~

嬉しいわ~

ぐぬぬ…

まだ勝負はイーブンだろう!?

なぜそんなに余裕綽々なのだ…

クルミ
クルミ

実力差よ!!

止めたでしょ~

まぁ…

たかがボール遊びだ…

勝ちくらい譲つていやるよ…

あぁああぁっぁ~!

………イラッ

クルミ
クルミ

この黄金の掌を

甘く見たわね!!

大きく伸びをして勝ちの余韻を満喫している…

これで終わりか…

満足したようだ…

そうか…

なら良い

さぁ…

珈琲でも飲むか

今日はここまだな…

だが突然白いゴマフアザラシは動き出した

さぁ遊んであげるわ!!

スッと軽やかに立ち上がり

ボールの方へ

絶妙な力加減で器用に咥えてくる

まるで子猫を運ぶかのように…

そう考えていたが…

えっ!?なに!?

違ったようだ…

ぽとりとに落とした…

感動返せよ…

クルミ
クルミ

勝手に想像しただけでしょ!?

それいちゃもんよ??

あぁ~
負けてるからってすぐいじける

悪い癖よ!?

そっくりそのまま返そう…

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最後に特大の!!!

しばしの休憩をはさんだクルミ

勝ちの余韻に満足して

さらなる高みを!?

まだ勝てる気でいるのか??

そうは問屋が卸さない…

ここから全て完封してやる!!

クルミ
クルミ

早く投げて…

投げるよ!!

って…

よいしょッと

いないじゃん…!?

だがボールを掴んで投げた瞬間

全力で走って来た

おおおおぉ~!!!

もちろん届くはずもなく…

コイツ…

ただ走りたいだけか…

ボールは隅に行ったため

何やらごそごそとしている

もう諦めるかと思いきや…

拾ってきた

まだやるようだ

投げて…

ボールを前に姿勢正しく座り

何やら思案しているような顔つきになっている

そろそろ飽きたか!?

こうして改めてクルミを見ると

やはりアスリート体系をしている…

ムキムキだ!!

クルミ
クルミ

なんかぶつくさ言ってるけど

早く投げてくれないかな…

でも催促してへそ曲げられても

困るし…

さぁ!!

思う存分走れ!!

一球入魂!!

そう思い放ったボールは!!

あぁん!ファァ~~~!!!!

今日一の大暴投!!

カメラにも映らないくらい

とんでもないとこへと飛んで行った…

クルミ
クルミ

へたくそ~~

ファァ~~~~!!!

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それでも

超ド級の大暴投を見せてしまった…

ボールの行方は分かっている

なんとポール爪とぎのハンモックに一時的に

置いた茶太郎ご愛用のカップケーキの中に

見事にインしたのである…

茶太郎
茶太郎

ある意味うまいじゃん!!

おとーちゃん笑いを心得てるの!?

飽きれるクルミ…

だが彼女は諦めきれずにいた…

至る所を右往左往しながら

ボールを取ろうと必死になっていた…

探す姿がなんとも愛らしい…

この中に…

いつでも真剣なクルミ

すまん!!

だが今日はこれ位で勘弁願おう…

次の機会にまた白球を追いかけよう…

終わりに

いかがでした??

白球にかける情熱

真剣な眼差しも素敵です

鍛え抜かれた肉体で

ニャリンピックも夢じゃない!!

そんな夢物語を語る管理人のえーやんでした

最後まで読んで頂きありがとうございました

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